日田市民セミナー 代表 成毛克美

活動内容
・「紫明庵」公開セミナー(週1回)、筑後川流域フィールドワーク、流域交流及び実地調査、資料作成他
紹介・解説できる人・団体(ボランティア学芸員)
・構成員/約20名(参加自由です)
利用・交流できる施設
・交流拠点/交流センター「紫明庵」(日田市亀山町/会議交流、宿泊可能)
お問い合わせ先
・成毛克美 〒877-0005 日田市豆田町6−26
        TEL.FAX.0973-24-2190


 筑後川流域再生の取組み
97年、「利水・治水」を軸とした旧河川法に代わり「環境・住民参加」を主眼とする新河川法が制定されました。しかし、現在まで多自然護岸や親水施設と言った部分的な対応の変化はあっても、依然として「治水/ダム」中心の水行政が進行しています。
 筑後川流域に於いても、新河川法施行後に発表された大規模計画は、上流「下筌、松原ダム」の水を導水管によって福岡都市圏に送るというダム群連携構想でした。
 私達は7年前から毎年夏、筑後川流域の再生に向けた「水環境セミナー」を流域の住民グループと開催してきました。又、日常的には定期的な「水環境問題」講座の開催(今年は毎週2回)や、他グループとの交流、共同イベントの開催、交流センター「紫明庵」の運営や「筑後川水環境マップ」の発行(現在3号まで)を行ってきました。こうした取組みを通じて95年末に「私達が目指す筑後川再生の方向」の提案をし、流域グループとの討議を重ねてきました。
 この方向での私達の具体的取組みの一歩が日田と大山での「水量増加の住民運動」への参加であり、折から発表されたダム群構想が住民の危機感を増大させ、逆に運動拡大の大きなバネとなったのです。


筑後川水環境マップ総集編
 7年前より流域グループと毎夏の「水環境セミナ
ー」で討議を重ね、交流センター「紫明庵」での交
流、研修と併せ、その成果を「筑後川水環境マッ
プ」として3号まで発行して参りました。今回はそ
の集大成として「21世紀の筑後川再生への住民
からの提言」をテーマとして「総集編」と流域イラス
トマップを発行いたしました。筑後川再生への一助
となればと願っています。

筑後川水環境マップ総集編(A4版・2色・240頁)
21世紀の流域イラストマップ付き(B2版カラー)
一部1,500円(10部1,200円)


私たちが目指す筑後川再生の方向
●数百年の歳月をかけ営々と作り上げた筑後川と流域の人々との関わりをもう一度取り戻し、 流域の水循環を再生させる。
●治水・利水の発想を脱し「水を育て水と共生し、水と遊ぶ」関係へ回帰する。すなわち、川と 人との共存関係づくりを目指す。
●流域の生き物を育て、地下水を含む水循環を維持し、豊かな流れによる浄化作用と癒しの 機能など、川が本来持っていた基本的な働きを見直し、よみがえらせる。
 1.水を育てる
・自然林を含む豊かな山林の再生と山村で暮らせる条件づくり。
・中・下流部での水田、クリーク、アオ取水等水循環システムの役割を見直し再生させる取組み。
・都市部での雨水利用を含む水循環の工夫と節水システムの推進。
 2.水と共に生きる
・ダム・河川工事は既存の施設を含め、川本来の水循環を妨げない形へと転換改修。
・リゾート開発・工場排水・農薬等の大量汚染源に対する環境アセス・定期調査を含む規制の強化・徹底。
・家庭生活排水による汚染を防ぐため、廃油石鹸、ゴミのリサイクルを含めた、地域台所レベルでの水を汚さない工夫と取り組み。
 3.水と遊ぶ
・鮎が海から上る川、筏やカヌーで河口まで下れる川、山の子は海で、海の子は山で遊べる川の再生を通して川の流れに沿った流域の結びつきを深める。


 これからの取組み
全国的に見ると1995年に建設省が河川環境管理基本計画を信濃川ではじめて設定し、サケやサクラマスの遡上確保のために従来の河川維持流量毎秒7トンから33トンを目標に大幅に増大させた例があります。また、クリーンエネルギーと云われる水力発電も九州での稼働率は20%程度であり、河川環境を妨げない小水力発電等への改修努力もなされていません。(前橋市では全世帯の3分の1を農業用水による小水力発電でまかなっている例もある)1970年の2倍、1980年の1.5倍もエネルギーを浪費し、ゴミと汚染を拡大し続ける私達の生活見直しも含め、この水量増加住民運動が真に水環境再生と住民参加のモデルケースとして豊かな筑後川を21世紀の子どもたちに手渡す一歩となればと願っています。運動はこの先数年かけて取り組まれることになりますが、最後に98年夏「水環境セミナー」で話し合われた筑後川再生の具体案を紹介します。
1、水量増加と猪牟田ダム見直しによる上流河川の再生と、夜明ダムの改修による筑後川水運の復活、有明海から鮎の上る川の再生。
2、中下流から有明海に至る木材流通経済圏の形成を軸とした源流域山林の再生。
3、福岡都市圏の水循環確立と筑後川流域への機能分散による流域外取水の根本的な見直し。
4、水汚染防止とゴミリサイクルを含む広域的な筑後川流域水環境条例の制定。



筑後川教育文化交流センター『紫明庵』
運 営 団 体
 ●筑後川流域連携倶楽部
  (駄田井正/久留米大学・九州文化技術研究所)
  ●河川モタセシステム研究所
  (坂本紘二/下関市立大学、太宰府水から川る会))
 ●ローカルエネルギー研究会
  (代表/甲斐美徳)
 ●日田市民セミナー
  (代表/アムネスティ日田グループ、成毛克美)

『紫明庵』太陽光発電システムの概要ご紹介
 京セラ製多結晶シリコン太陽電池モジュール 36枚
 ●一枚あたり出力 108W ●総容量 3.90KW

 九州電力の系統ト接続しており、日中晴天時の、太陽
 電池の発電量が屋内の電力消費量を上回る場合は、
 余剰電力を九電の系統に流し込み売電する。


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