ローカルエネルギー研究会  

地域で紹介したい自然・歴史・文化・工業・産業など
・筑後川流域の水車、風力・小水力発電等のローカルエネルギー紹介
紹介・解説できる人・団体(ボランティア学芸員)
 
利用・交流できる施設
・交流拠点/『紫明庵』(太陽光発電設置/日田市亀山町3−14)
お問い合わせ先
 

 ローカルエネルギー研究会は、地域でつくるエネルギーに関心を寄せる人々の集まりです。それぞれの地域の自然条件や未利用資源を活用した再生可能エネルギーによる地球環境保護と地域の内発的発展をめざして、セミナーや見学会の開催で見聞を深め、会員相互の情報や意見の交換を行っています。これまで、日田市での太陽光発電の第一号となった私たちのグループの交流スペース「紫明庵(しめいあん)」の太陽光発電所開設記念シンポジウム(96年)をはじめ、私のヨーロッパ視察旅行の報告会(97年)や、前津江村の風力発電の見学会(98年)、太陽光発電セミナーの開催(98年)など、自然エネルギーについての情報を発信し共有する活動を重ねてきました。昨年(2000年)は、10月22日の日曜日に、日田市民セミナーによる「筑後川流域講座」の一環として、日田市と前津江村をメインに「筑後川上流域ローカルエネルギー・フィールドワーク」と称する見学ツアーを開催しました。
 日田市周辺をはじめとする筑後川流域は、自然エネルギーという側面からみても、非常に面白い要素がいろいろとあり、今後もますます目が離せない状況になっています。それについて若干のご紹介をいたします。
 まず風力発電では、前津江村が椿ケ鼻ハイランドパークに245KWのドイツ製の風車2基を建設し、1998年4月から発電を開始しました。九州の地方自治体の中では初めての快挙でしたが、これに続けとばかりに隣の日田市も夜明地区の市有林で風況調査を実施中であり、良好な結果が得られればここに500KW級の風車が建設される予定です。
 次に小水力発電では、玖珠川の最上流部である九重町九酔渓において、「ドライブイン桂茶屋」が滝壷までの約70mの落差を利用して、32kwの水力タービンによる自家発電を行っています。また、前津江村でも川魚料理「やまめの郷」が、養殖池の大量の排水を活用して20kwの小水力発電を行っています。このほか中津江村でも、鯛生金山近くの砂防ダムを利用した100kwほどの水力発電の計画があり、ぜひ実現してほしいと思います。
 バイオマスエネルギーに関しても動きがあります。九州随一の林産地である日田地方には、製材所で発生する樹皮(バーグ)や廃材、山林経営の過程で生じる末木枝条や除間伐材、台風災害で発生した風倒木など、今後何らかの利用を考えなければならない木質資源が大量にあります。昨年の「木質バイオマス講演会」などをきっかけにエネルギー利用への関心が高まり、日田市では将来の大規模なコージェネ(熱電併給)プラントの建設も視野に入れた行政レベルでの検討も始まりました。また、下流の福岡県大木町でも、家庭生ゴミなどを発酵させて得たメタンガスを利用して発電するバイオガスプラントの構想があり、そのための調査が始まりました。
 昔から、筑後川流域では、多くの人々が自然の恵みをうまく利用しながら川と共存して生きてきました。流域に今も数多く残るいろいろな種類の水車が、そうした歴史を現在に伝えています。自治体を中心に流域の各地で現在展開されている自然エネルギーに関する様々な試みもまた、そうした伝統に沿うものであり、21世紀の自然と共生する循環型社会のモデルケースとして全国に誇るべきものです。そうした取り組みを今後ともフォローし、筑後川流域の魅力として発信していきたいと思います。

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